午後、ちょっと席を外した隙に、ネコがMacのキーボードに乗って文字パレットを開き、わけのわからない文字を表示していた。
ひらがなの「か」に「丸」だ。
結構長いこと日本人をやってきたけれどもこんな字はまったく読めないわけで、それをTwitterに書いていたら、夜になって救世主が現れ、正解を教えてくださった。
なんとこれは「鼻濁音」 を表すための文字なのだと。
そうかそうなのか。ちっとも知らなかった。
鼻濁音じたいは知っている。
長らく小学校の教員をしていた祖母に、子供の頃よく言われた。
「が、ではないの、んが」
この「んが」のところがいわゆる五十音では表現できないわけで、あえて書くなら小さな「ん」に続けて「が」とするとそれっぽいニュアンスなのだが、実際は「が」と書くことになるから文字の上では違いがわからない。
祖母がぼくに教えたということは、昔は小学校で鼻濁音とその使い方を教えていたのだろうか。現代の学校でどう教えるのか知らないし、自分がどう習ったかも覚えていない。
そういえば「お」と「を」の違いもよく言われた。
「お、ではなく、うぉ」
祖母の声と口ぶりを今でも覚えてる。
文字だけでは伝わらない言葉。
それを何とか伝えよう、そして世に残そうとあがいた成果のひとつが「か゚」だとすれば、これは言葉に対する愛の証ではないか。
そんなことを思った。
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